子宮筋腫の治療

子宮の摘出の有無

子宮筋腫だからと子宮を摘出する必要はありません。子宮の摘出を行う場合は、子宮内膜症などの場合で、それも他の臓器と子宮の癒着が進行した場合などで、あとは子宮がんなど場合に考慮されますが、最初に子宮摘出を前提とした治療を医師から申し出る事はありません。

子宮筋腫が大きくなっても、仮に外科手術を行う場合でも、子宮筋腫のみを切除する術法が取られることが多く、以前のように子宮筋腫イコール子宮摘出という乱暴な治療を行なう医療機関は少ないはずです。ただ更年期を過ぎて出産する予定がない場合、子宮摘出に関して問題となることはありませんが、閉経を迎えた人であれば、子宮筋腫自体小さくなっていきますから、その必要もないはずです。

保存的治療とは

子宮筋腫の原因だけで、卵巣や子宮を摘出する事はないと考えるべきで、子宮内膜症や子宮がんなどが余病としてある場合、またそれらの余病が重篤な状態である場合に限って、子宮や卵巣摘出の手術が行なわれます。

現在は全摘の外科手術を行なう前に、子宮や卵巣の保存治療がまず検討されます。その意味では、子宮筋腫の場合、子宮摘出は最終手段と考えるべきでしょう。子宮筋腫の保存的な治療法は、腹腔鏡を使った方法など様々有りますが、治療を受けた人の70%程度の患者は完治しますが、残りの患者は再発すると言われています。

子宮筋腫が再発しても、がんとは違いますから、進行して生命に関わると言う事はありません。子宮筋腫は大きくなることで、主に圧迫障害を引き起こす事に問題があるので、大きくなった子宮筋腫を切り取ったあとに再発があっても、安全に対応治療を行なえば、深刻な問題になることはありません。

子宮・卵巣摘出の弊害

子宮筋腫になって、子宮内膜症などの合併症で、子宮を摘出した場合に何か影響があるかと言えば、医学的にはホルモンバランスが崩れるとか言う問題は起こりません。子宮自体はホルモンを分泌する機能はありません。

むしろ子宮を摘出しなくとも、卵巣を摘出して場合に、ホルモンバランスは大きく崩れていきます。
卵巣や卵管から多くのホルモンが分泌されていますから、卵巣を摘出した場合は、ホルモン剤などの投与が必要となります。

子宮摘出で、ホルモンバランスが崩れ、体調も崩れてしまったと言う話を耳にしますが、たまたま年齢的に子宮摘出されるケースの場合、更年期に差し掛かった人が多いということで、誤解されている場合が多いと言えます。

手術の前提

子宮筋腫の手術の前提としては、月経障害で貧血症状がひどく、検査によって子宮の形状を変化させるほど、子宮筋腫が肥大化している場合と言えましょう。

ただし、薬材治療やホルモン治療などで、子宮筋腫の肥大化を抑制できなかった場合に、外科的な手術が行なわれるべきです。子宮筋腫で最も恐れられるのは貧血です。

一見それほど深刻な問題と思えませんが、子宮筋腫によって血中のヘモグロビンが減少して、貧血症状を繰り返す事によって、心臓などに負担がかかり、余病を引き起こす危険性が高まります。

その場合、子宮筋腫によって子宮機能に問題が生じなくても、手術等などの治療が必要になります。
そのほかにも子宮内膜症や子宮がんを併発している場合は、手術による治療は、検討課題になります。

手術治療のタイミング

子宮筋腫の手術には、子宮や卵巣などの内性器の保存を前提したものと、摘出を必要としたものとが有りますが、患者の年齢や出産希望によって、手術治療の方法もタイミングも違ってきます。

更年期を過ぎて、閉経も迎えてしまった女性であれば、子宮筋腫は終息して小さくなっていくものですが、それが逆に大きくなってくる場合は、むしろ子宮筋腫と言うより、子宮がんと考えられますから、再検査されて早急な治療が必要です。

通常は子宮筋腫があっても、まず精密検査と経過観察を行なって、子宮筋腫の症状の変化を診ます。
子宮筋腫に過多月経などの不安定な症状や、肥大化などの兆候がある場合は薬物治療やホルモン治療が段階的に行なわれ、最終的に手術治療になります。

重篤な子宮筋腫と診断された場合、手術以外の治療で症状の改善が診られない場合は、手術治療が行なわれますが、子宮筋腫に対する見解は、専門医でも見解の分かれることが多く、複数の専門医の診断を仰ぎ、適切な治療法とタイミングを調べる必要があります。

薬剤治療

子宮筋腫は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量と連動して肥大化する傾向にあります。子宮内膜は、エストロゲンが作用して細胞が増殖して厚みをまし、卵巣はエストロゲンの分泌を増やしていきます。

問題は月経の時に、子宮内膜と子宮筋腫の成長が交差する点にあり、排卵後の受胎がない場合は、子宮内膜が子宮から剥がれ、黄体ホルモンによって分解されますが、剥がれる際に毛細血管などを破り多少の出血となります。

正常な月経でも生理痛は有りますが、子宮筋腫によって子宮が変形したり、子宮内膜を圧迫すると、出血も多くなり、生理痛も激しくなります。

薬剤治療には段階がありますが、子宮筋腫が性的に未成熟な段階で、ホルモン分泌サイクルの不順する場合は、単に鎮痛剤や貧血に伴う鉄分不足を補うサプリメントによって、生理痛や貧血の症状を押さえるに止め、経過観察になりますが、30歳以上であれば、薬剤を使ってホルモン分泌をコントロールするような治療がなされます。

ホルモン治療

ホルモン治療とは、子宮筋腫の成長や肥大ををホルモンを投与することで止めようとするものです。
子宮筋腫はがんのように転移して増殖するものではありませんが、放置しておけば肥大化して、子宮や他の臓器にまで影響を及ぼす危険性があるため、成長を止めることができれば、閉経後は自然治癒していきます。

ホルモン治療の方法は、大きく分けると、子宮筋腫を肥大化させるホルモンを抑制する考え方は同じでも、妊娠状態にするか閉経の状態にするかで、投与されるホルモン剤の種類が違ってきます。

前者にあたるのが、偽妊娠療法などで、後者が逃げ込み療法、ダナゾール療法やGnRHアゴニスト療法などです。どちらも生理をとめてしまい、結果として子宮筋腫の成長を止めると言う点では同じです。

偽妊娠療法

偽妊娠療法は、文字通り妊娠状態を薬剤によって人工的に作ってしまうもので、女性ホルモン薬であるドオルトン、プラノバールなどの薬剤や、ピルなどを定期的に服用し、妊娠時の状態と同じようなホルモン分泌の状態にして、錯覚させる治療法です。

偽妊娠療法は月経や排卵を抑制しますが、効果は強くなく、体調崩すような副作用などもなく、穏やかな治療法と言えます。

性的に未熟な若い人や、妊娠を望まない人向きの療法ですが、女性ホルモンの分泌を抑えることで、子宮筋腫の成長を阻害しようとするもので、他のホルモン剤治療と考え方は同じです。

現在では、あまり効果が望めませんので、ダナゾール療法やGnRHアゴニスト療法が一般的になりつつあります。

ダナゾール療法

ダナゾール療法は、またの名を閉経療法と言われていますが、その名の通り閉経の状態と同じホルモン状態を、ダナゾールによって人工に作ってしまう療法です。

閉経後にエストロゲンと言われる女性ホルモンが分泌されなくなると、子宮筋腫は萎縮していきます。
この現象を利用する方法として、ダナゾールと言う男性ホルモンのような、エストラゲンに対抗する働きがある薬剤を服用することで、閉経状態にします。

効果的に作用するぶん、肝機能異常や体重増加などの副作用があります。ダナゾールはもともとピルとして開発されて性ステロイド系の薬剤ですが、脳の下垂体に作用し、性腺刺激ホルモンのゴナドトロピンを抑制し、それによって卵巣のエストラゲンの分泌機能を低下させる働きがあります。

GnRHアゴニスト療法

女性ホルモンの分泌を抑制する効果が高いホルモン療法として、GnRHアゴニスト療法はよく行なわれますが、健康保険などの適用が受けらる為ですが、ただしGnRHアゴニスト療法の適用期間は半年です。

その間に閉経状態になるか区立は高く、GnRHアゴニスト療法を止めるとすぐに月経が始まり、子宮筋腫は療法前より大きくなる傾向にあります。

GnRHアゴニスト療法は、閉経状態になるため,更年期障害の症状が起きる場合が有ります。副作用として問題になるのは、骨のカルシウム量が減ってしまって骨粗鬆症になることも有ります。

従って閉経の近い人には適していますが、年齢の若い人にはGnRHアゴニスト療法による閉経によって、弊害が多く適さないと申せましょう。

逃げ込み療法

逃げ込み療法とは、子宮筋腫を患っている更年期の患者に対して行なわれるます。閉経直前の女性に限定した療法ですが、ダナゾール療法、GnRHアゴニスト療法などが行なわれます。

更年期であと半年程度で閉経になるような女性に、逃げ込み療法が必要かと疑問を持つ専門医もいます。その理由は、閉経に伴ってホルモンバランスが崩れることにより、骨粗鬆症になりやすくなっている状態で、ホルモンバランスを人為的に崩してしまうと、更に骨粗鬆症を進行させてしまう危険性があるからです。

仮に重篤な子宮筋腫による症状がある場合は、出産の心配がないため、子宮摘出手術か子宮動脈塞栓術の方が却って弊害が少ないと考えられます。

また閉経に予定通りなってくれればいいですが、逃げ込み療法がタイミングよくいかない場合は、却って子宮筋腫の肥大化に繋がっていきます。

月経困難症の治療法

月経困難症と言うのは、平たく言えば生理痛のことです。子宮筋腫の症状として月経時に器質性月経困難症と呼ばれるもので、子宮筋腫に限らず、子宮内膜症などの性疾患が原因とされています。

原因のないまま起こる月経困難症は、機能性月経困難症と言われ、性的な未成熟による場合が多く、若い女性にありがちな病気と言えましょう。

子宮筋腫が原因の月経困難症の治療は、症状がひどくなければ、生理痛の痛み止めなどが処方されて、症状の経過観察が行なわれます。

症状が悪化した場合は、ピルなどを使った偽妊娠療法が試されます。偽閉経療法と言われる月経を完全に停止させる療法もありますが、強力なホルモン剤を投与するため、投与期間が半年と限定されます。

この療法の場合、副作用や投与を止めたあとのリバンドで、子宮筋腫を却って大きくする可能性があり注意が必要です。

中用量ピル

子宮筋腫が原因で起こる器質性月経困難症の対処療法として、中用量ピルと言われるピルが使われます。ピルには低用量ピル、中用量ピル、高用量ピルの3種類が有り、通常ピルとして使われているのは低用量ピルで、最も副作用の少ないピルです。

子宮新種が原因の器質性月経困難症に使われる中量ピルには、ドオルトン錠、プラノバール、エデュレン、ルテジオン錠など数多くありますが、子宮内膜増殖症などに多く見られる過多月経などの子宮出血などが診られる場合に処方されるケースが多いといえましょう。

アメリカでは、中用量ピルよりは、低用量ピルが主流ですが、日本では中用量ピルを処方されることが多く、頭痛や血圧の上昇、眩暈、眠気などの軽い副作用が報告されています。


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子宮筋腫には、発生する場所によって幾つかの種類があります

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子宮筋腫は、大きくなると、子宮の周辺の下腹部にある臓器を圧迫し、影響を及ぼす事があります

子宮筋腫の検査

子宮筋腫の初期検査は、視触診から。日頃の自己管理として行なうことをお勧めします

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子宮筋腫の手術

子宮筋腫に関する手術の術法は、現在さまざまな方法が開発されています

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自然なバイオリズムを崩さず、規則正しい生理周期が子宮筋腫の予防であり、ケアの基本

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